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台湾ではスマートフォンが急激に普及し始めている。
資訊工業策進会(資策会)の調査によれば、今年第2 四半期の普及率は12.9%で、所有者は300 万人を超え たとのことである。あわせて2015 年には、普及率が 52.5%に達するという予測も公開されている。また、 iPad(アイパッド)のようなタブレット端末も第2四 半期に普及率が6.5%に達したと発表している。 スマートフォンが普及すると、消費者はデータ通信 を始める。日本ではフィーチャーフォン(スマートフ ォンではない携帯電話)の時代から「i-mode」のよう なプラットフォームを通じて、データ通信を行うこと が一般化していた。 一方、台湾では携帯電話事業者が提供するi-mode の ようなデータ通信サービスは使い勝手がいまひとつで、 ほとんどデータ通信らしきものは行われてこなかった。 データ通信の利用を促進するため、中華電信のような 携帯電話キャリアも定額制パッケージを比較的安価に 提供してきた。 しかし、スマートフォンがこれほどの普及率になる と状況が変わってくる。台湾駐在の人でスマートフォ ンの所有者なら、データ通信中、通信が途切れる経験 を何度もしていないだろうか。携帯電話の通信に関す るボトルネックは多数ある。例えば、基地局とその裏 側の基幹ネットワークを結ぶバックホールの通信容量 が足りないことで、通信速度が遅くなることがある。 あるいは携帯電話機そのものの処理速度が遅く、通信 速度が遅く感じることもありうる。しかし現在、台湾 でデータ通信中、ブチブチと通信が途切れるのは、主 として無線部分の問題である。周波数の割り当てが十 分ではないため、狭い帯域に多数のトラフィックが押 し込まれ、最悪の場合、通信中に途切れるという状況 が起きている。 スマートフォンは、従来の携帯電話と比べて膨大な トラフィックを発生させる。実は音声通話に必要なト ラフィックは微々たるものである。スマートフォンユ ーザーに関しては、全トラフィックに占めるデータ通 信に関するトラフィックが90%以上であることが多 い。逆に言えば、スマートフォンユーザーは、従来型 携帯電話ユーザーの10 倍以上のトラフィックを生み 出していることになる。スマートフォンの普及率が 10%に達しただけでも、全体で見れば従来の2倍以上 のトラフィックを処理しなければならない。 周波数が不足している状況において、トラフィック 処理能力を増やす方法は3つある。周波数を更に割り 当てるか、周波数の利用効率を上げるか、基地局密度 を増やすことで1つの基地局に収容するユーザーを減 らすことである。しかし、台湾では携帯電話の基地局 が発する電波を嫌う人が多いため、これ以上基地局用 地を確保することは困難である。 現在台湾では第3世代携帯電話(3G)事業者に以 下のように、周波数が割り当てられている。各社35 M Hzずつである。 周波数利用効率を上げるため、HSDPA、HSP Aなどへの切り替えは都市部を中心に進みつつあり、 3G技術のバージョンアップで、これ以上周波数利用 効率を上げることは容易ではない。周波数利用効率を 上げるためには、第4世代携帯電話技術であるLTE へシフトするしかない状態だが、当然周波数の空き帯 域はほとんどない。空き帯域を作るには、第2世代携 帯電話(GSM)の周波数のライセンスが切れるのを 待ったり、国防部と使用周波数帯域の交渉をしたりす る必要があるため、2015 年までにLTE向けに周波数 オークションを実施するのは、かなり難しい情勢にな っている。 一方で、07 年に周波数オークションに掛けられたW iMAXは、以下の表のように大量の帯域を持ってい る。北部・南部で分けられているが、全体で90 MHz が割り当てられている。 しかし、業者があまり設備投資をしなかったり、南 北で事業者が異なっているため、使い勝手が悪かった りといった事情で、加入者は今年6月時点でまだ6万 ~7万人しかいない。もし予想通り15 年にスマートフ ォンの普及率が50%になるのであれば、現在の3Gに 割り当てられた周波数帯域だけで、トラフィックを処 理するのは不可能である。現在、あまり使われていな いWiMAXの周波数帯域をどのように活用するかが ここ3~4年の間の課題になると見られる。 NNAニュースより PR |
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